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バンクーバーVFX業界の慢性的な人材不足について

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Photo by Arthur lvanov

みなさん、こんちには。本日はいまだに続くバンクーバーVFX、CG業界の人材不足についてご紹介したいと思います。

2016年4月の段階とこれまでと、そしてこれからの人材不足についてご紹介したいと思います。

また職業別にも何が足りていないのか!状況をお伝えしたいと思います。

 

さて皆さん、VFX通ならご存知のとおりバンクーバーは世界第一のVFX、CGの生産拠点となってしまいました。

これはハリウッドで作られているVFX・CG作品の多くがバンクーバーで作られているという状況です。

本来であれば普通の仕事よりも就職が簡単ではない職業なのですが、現在はアーティストは完全な引っ張りタコです。


バンクーバーのVFXスタジオ移行の嵐は、だいたい2011年頃よりスタートしました。

当初はどのスタジオも規模も小さく、20人程度でハリウッドから移ってきたスタジオがほとんどです。

がそれは今や、200人300人というスタジオ規模が当たり前になりました。

少し古いですが、バンクーバーのVFX業界については、この記事をご覧ください。

バンクーバーでの映画産業について

 

さて移行の嵐は、2012年の氷河期を越えてからは、加速し続け、今もなおとまらぬ状況となっています。

それにより発生するのが、慢性的な人材不足になっています。

 

ソニーイメージワークスが本社をバンクーバーに移してきた際は、新規に数百人という人材を採用しました。

もちろんアーティストは、より大きな作品に関われることだったり、給料が大幅に上がることなどで、

自主的に移る人もいますがソニーなどは、大規模なヘッドハンティングをし、様々なスタジオから優秀な人材を引き抜いた訳です。

 

新しいスタジオが移るたびに、数百人の空きが出来るのですから、業界としては痛手です。

ソニースタジオ本社移行については詳しくはこちら。

新巨大スタジオを建設中!ソニー・ピクチャーズ・イメージワークスが本社をバンクーバーに移転!

 

では新卒を増やせばいいじゃないか?というのはもっともなのですが、

これは海外らしく、だいたいが経験のある即戦力の人材を求めています。

もちろんジュニアアーティストも前に比べると仕事を見つけやすくなるわけですが、それでも足りないわけです。

 

それにより2015年などは、ヨーロッパから大量のアーティストが押し寄せました。

もちろんヨーロッパだけではなく、アジア、世界中からです。ハリウッドからの出稼ぎの人も中には多くいます。

さてその波はいまだに継続中。

ここからは、職業別に足りてない職業をランキング形式で、発表していきます。

VFX・CGの職業を詳しく知りたい方はこちらをどうぞ!

海外のCG業界で働きたい!CG業界ってどんな職種があるの?分業化ってこんな感じ!

 

第1位 アニメーター

さて第1位はアニメーター。これは異常な状況を良くあらわしていると思います。

なぜなら本来アニメーターというのは花形職業で業界の中ではもっとも就職が難しいといわれております。

 

第2位 TDテクニカルディレクター、パイプラインTD

これはある意味当然で、新規スタジオや現スタジオの規模拡張のシステム構築のために、この手のアーティストが必要とされています。

 

第3位 マットペインター

さてさて、なんとなく憧れの職業。マットペインター。これはそもそもマットペイントを出来る人の数がもともと多くはありません。からの打撃です。

 

第4位 FXアーティスト、リギングアーティスト

テクニカル系ジョブです。FXも募集はよく見ます。でもリギングは、どんな時代でも足りていません。

 

第5位 ライティングアーティスト

こちらは普通に、スタジオが仕上げるショットが多くなると同時に、それを仕上げる人が多くなります。

とりあえず5位までを挙げてみました。もちろんこれ以外にも、大体が足りていません。

モデラーだって通常と比べると、ものすごく足りていません。特にハードサーフェス系

 

そして、仕事の見つかりやすいコンポジターですが、これはコンポジターの契約的に短い契約でいろんな所を渡るという性質からか思っているほどのダメージはありません。

おそらくですが、海外から少しの期間働いて、また移動するという方が多いのでしょうか。

もちろん、それでも足りていないのですが、コンポジターは絶対数的に多いというのがあげられます。

 

そして何よりも、私が頭がおかしいと思うのは、やっぱりアニメーター

アニメーター、アニメーターって凄いです。

それはなぜか。ソニーイメージワークスは多くのアニメーション作品を抱えています。

 

そして、現地スタジオのBardelスタジオ(バーデルスタジオ)もこの3年ほどで300人ほどの規模を拡大しました。

その他にも、新規アニメーションスタジオの影響。そしてこれから採用の嵐がやってくるアニマルロジックの影響です。

オーストラリアの老舗VFXスタジオ、アニマルロジックにつていはこちら。

オーストラリアの有名VFXスタジオ、アニマル・ロジックがバンクーバーにVFXスタジオを設立!!

 

そのためにどこのアニメーションスタジオもアニメーターを確保するのに必死なわけです。

この状況はいつまで続くのか、永遠ではない事は確かですが、おそらくあと2年はこの状況が続くのではないかと思っています。

 

さてさて、相変わらずクレイジーなバンクーバーVFX業界ですが、日本人アーティストも続々来ております。

そして円高な今。これはチャンスのタイミングと言えるのでは、と思います。

 

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長々と書いてしまいましたが、ここまでご覧頂き、どうもありがとうございました。

ではまた次回!